

豆腐のほとんどが水?
もめん豆腐86.8%、きぬごし豆腐89.4%。これは豆腐の水分含有率です。まさに、豆腐の約90パーセントは水。これが、口あたりのやわらかさの要因になっています。
豆腐のほとんどが水分ならば、いったいその水はどこにはあるのだろうかと、素朴な疑問がわいてきます。
そこで電子顕微鏡で豆腐をのぞいてましょう。顕微鏡で見るミクロの世界では、細かい網状のものが見えてきます。実は、これが大豆たんぱく質なのです。豆腐はたんぱく質の粒子が互いに結びあって、海綿のように網をつくっている食品です。
そのたんぱく質の網目のところどころについているのが脂肪になります。豆腐の成分を分析すると、水分のほかに、たんぱく質6.8〜5.0%、脂肪5.0〜3.3%となり、脂肪はたんぱく質についで多い栄養成分です。
それでは、肝心の水はどこにあるのでしょうか。実は水分は、網の目の中に含まれています。水を含んだスポンジを想像してもらえばいいでしょうか。この網の目にたっぷりの水が含まれているわけです。
豆腐を料理する際の水切りは、豆腐に適度な重しをかけて行います。これはちょうどスポンジを絞るのと同じ原理なのです。
豆腐発祥の地・中国には軟らかい豆腐と硬い豆腐がありますが、豆腐を炒めたり揚げたりする料理法が主流のために、豆腐は日本のものよりも水分が少なく、硬めになっています。
一方、日本人は豆腐そのもののうまみを追い求めてきた部分があり、それが冷や奴や湯豆腐によく表われています。ですから、水分たっぷりの豆腐は日本ならではのもの。元気なときはもちろん、食欲がないときやサッパリした食感がほしいときには、まさに豆腐はうってつけです。これも水分たっぷりの食材であるおかげといえます。