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謎に満ちているがんもどき(ひりょうず)の由来

落語の「寝床」

「豆腐屋さんではお得意に年会がございまして、生揚げとがんもどきを八百五十ばかり請け負ったとかで、家中で大わらわにやっておりますが、なかなかはかがいかないようで……」。番頭の定吉がとうとうとがんもどきの作り方を説明するくだりが出てくるのが、落語の「寝床」にあります。

義太夫を習い始めた旦那が、自慢ののどを聞かせたくて、番頭の定吉に長屋の連中を呼びにいかせるのですが、呼ばれたほうは旦那の義太夫が聞けたものじゃないのを知っているので、何かと口実をつくって欠席します。定吉が、豆腐屋の言い訳としてがんもどきの作り方を長々と述べるのが冒頭のくだりです。

関西では「ひりょうず」とも呼ばれるこのがんもどき。この2つ、元はまったく別の食べ物だったことはあまり知られていません。

ポルトガル語の「フィロウス」に当て字をして「飛龍子」とか「飛龍頭」と表わされる「ひりょうず」。ところが、フィロウスとは、小麦粉をこねて油で焼いたお菓子なのです。江戸時代の料理書には小麦粉の代わりにもち米を使って油で揚げたあと、砂糖蜜にひたし、上にこんぺい糖をのせたと書いてあります。つまり、現在のような豆腐料理ではなく、お菓子の一種だったというわけです。

一方「がんもどき」の材料も、もともとは豆腐ではなく、こんにゃくだったといいます。味が雁の肉に似ていることから「雁擬(がんもどき)」の名がついたという説。もう一つは、精進料理の「糟鶏」という料理だったという説で、こちらはこんにゃくを使った点心「糟鶏」が、「俗にいうがんもどきなるべし」と古い本に書かれているところから、「糟鶏」の俗称として「がんもどき」という親しみやすい日本語にしたという説があります。

南蛮渡来のお菓子がどうして豆腐料理の「ひりょうず」に変身したのか、一方こんにゃくがなぜ豆腐と入れ替わってしまったのかは、いまだに謎のまま。落語の「寝床」では豆腐屋の言い訳にがんもどきが登場しますが、がんもどきもひりょうずも、その由来は、ハッキリとはわかっていないのです。

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